小説を書いていて、小説の他の表現媒体にない強みって何だろう?って考えることがあります。
以前の記事内で、小説を読むメリットについてご紹介しましたが、
「あー面白かった」
「あー悲しかった」
もしくは、
「あーつまんね」
と、消費者からすれば、映画や漫画のように小説も簡単に消費してしまえる媒体だったりしますよね。
では、表現者にとって、小説だからこそ表現できることって何だろう?
映画や漫画などにはない強みってどこにあるのかな?って思ったりするんですよね。
というわけで、今回は小説という形態で表現することの長所について考えてみようかと。
小説という表現手段だからこそ活かせる強みとはこの3点!
さっそくですが、小説という表現手段だからこそ読む者を惹きつける強みとはこの3つだと私は考えます。
- 登場人物の心理を伝えやすい
- 表現の自由度が高い
- 読者の想像に委ねやすい
登場人物の心理を伝えやすい
小説の最大の強みというのは、
登場人物の心の動きを描きやすい点にあるのではないでしょうか。
映像や漫画でも心模様を表現することはできるじゃないか?と思われるかもしれません。
確かにその通りです。
しかし、登場人物の心象風景を描く際に、
「わたしは〇〇だと思う」、
「彼女はそのとき〇〇だと思っていた」、
「彼は彼女のその動きを見て、二年前に感じたあの思いが胸に還ってくる思いがした」など、
心にある感情や思い、思考などをズバリ表現できるのです。
小説とは、人間の心理の動きを表現する媒体といっても過言ではないと思います。
また、そこにこそ小説を読む醍醐味があり、また他のメディアにあっても小説の方が的確に表現できる強みがあるのです。
表現の自由度が高い
小説は文章表現で、二次元的な表現手段のように思われていますが、これは違います。
小説をよく読まれている方には身近な感覚だと思いますが、
文字から立ち上がる世界というのは高次元だったりします。
それだけに没入感が高いメディアなのです。
小説を読みながら、読者が想像する世界というのは、時空も空間も簡単に越えてしまえます。まるで夢の世界のようです。
小説で表現できる世界の奥行きや奥深さは想像の許す範囲で無限大!
他のメディアに比べて、表現できる幅が狭いようでいて、実は広いのです。
それゆえに、技術的な制限や描写の限定度合いが低く、読者の想像で持って完成する表現媒体である小説の自由度は高いのではないでしょうか。
読者の想像に委ねやすい
小説は文章だけでその世界を表現しています。
したがって、読者の想像に頼る部分が他のメディアに比べて大きいのです。
その分、たとえば映画や漫画では視聴者や読者にとっては、「解答」が用意されている状態です。
しかし、同じ「山」を表現するにしても、小説の場合は文章だけでそれを表現しなければなりません。
逆にいえば、「山」という一語で、読者の想像、つまり読者に与えられる「解答」は幾千通りにもなるでしょう。
つまり、読者が想像する「余地」が他のメディアに比べて非常に幅が広いのです。
まとめ
今一度、おさらいしておきますと、
- 登場人物の心理を伝えやすい(心理描写を端的に伝えやすい)
- 表現できる世界の幅と奥行きは無限大(著者の文章が許す範囲で無限大)
- 読者の想像に委ねやすい(読者の想像力を借りて成り立つメディアだから)
今回は小説という表現媒体が持つ強み(長所)についてご紹介しました。
長所があるということは、短所ももちろんあるわけですが、そちらの紹介はまた後日。
小説だからこそ表現しやすく、また読者を没入しやすい強みとは何なのか?
引き続き小説を読んで、書く中で私自身、探究して参りたいと思います。
今回はこの辺で。
それでは、ごきげんよ〜。
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